妊活ブログ:国内初 匿名の第三者の卵子で女児誕生

不妊カウンセラーマツムラの妊活アドバイス

妊活ブログ:国内初 匿名の第三者の卵子で女児誕生

こんにちは。神戸の老舗妊活サポート専門ショップ「ながいきや本舗」店長兼不妊カウンセラーのマツムラです。
ようこそ、妊活ショップへ!
今回も最後までお付き合いくださいね。

先程、大変関心のあるニュースが飛び込んできました。

朝日新聞デジタル 3/22(水) 13:29配信

「匿名の第三者の卵子で女児誕生 国内初の体外受精」

NPO法人OD-NETさんとは

「NPO法人OD-NET (卵子提供登録支援団体)」は、ながいきや本舗と同じ神戸で発足されました。

NPO法人OD-NET(卵子提供登録支援団体)

こちらのOD-NETさんは、ターナー症候群などの生まれつきの体質で卵巣機能が低下している女性や早発閉経の女性のために、卵子を提供して下さる女性を募り、協力施設(不妊専門クリニック)で提供卵子による体外受精が実施できるように支援する団体で、当事者の家族が中心となり、小児科医・不妊専門医・法律家・心理カウンセラーの協力を得て組織されていらっしゃるそうです。

そして今回、OD-NETさんより、提供された卵子を使った体外受精で国内で初めて女児1人が生まれたと発表されたのです

OD-NETさんの卵子提供の対象者

ただOD-NETさんが考えている対象者は、あくまでも、病気などによって卵巣機能が低下し妊娠が難しい方です。

ご登録を希望される場合は

「JISARTの非配偶者間体外受精に関するガイドライン、登録の条件をお読みになり条件を満たしているかどうかご確認ください。」

となっています。

JISARTとは「日本生殖補助医療標準化機関(JISART:Japanese Institution for Standardizing Assisted Reproductive Technology)と言い、不妊治療を専門とするクリニックによって結成され、現在全国29施設が加盟している団体です。

そのガイドラインには「卵子提供による非配偶者間体外受精を受けることができる者の条件」として、次のように書かれています。


卵子提供による非配偶者間体外受精を受ける者(被提供者)は,第三者より卵子の提供を受けなければ妊娠できない医学的理由が認められる者であることを要する。

具体的には以下のような場合とする。

  1. 卵子が存在しない場合
  2. 6回以上の夫婦間体外受精(採卵)によっても妊娠または出産に至らず、その原因が卵子にあり、今後妊娠の可能性が極めて低いと医師が判断した場合
  3. 妻が重篤な遺伝性疾患の保因者または患者で、着床・出生前検査および妊娠中絶を望まない場合

ただし,加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする。この点の具体的な判定は医師の裁量によるが,妻の年齢が50歳程度であることを目安として判断する。

また,夫婦の健康状態,精神的な安定度,経済的状況など,生まれてくる子どもを安定して養育していくことができると認められる夫婦であることを必要とする。


卵子提供の費用

OD-NETさんでは、卵子提供を受けるカップル(レシピエント)に対し、卵子提供者(ドナー)に実施するカウンセリングや検査などの費用や通院に必要な交通費の負担をお願いしています。

また別途、倫理委員会の審議費用がかかり、1回の審議費用は約30万円、回数は2~3回程度実施されるとしています。

そこに更に、体外受精の治療費がかかります。

出自を知る権利

OD-NETさんの卵子提供の対象者

卵子提供については、それによって出生した子供の「出自を知る権利」が、看過できません。

子どもが自分の生物学的親を知る「出自を知る権利」は、国連で採択された「子どもの権利条約第7条」にも書かれていて、日本でも1994年に批准しています。

OD-NETさんは、「この考えから、NPO法人OD-NETは、親子関係の安定した幼少期に子どもにわかりやすくその出生の真実を知らせることが重要と考えています。」とし、提供治療によって生まれた子どもさんが、15歳以上になって希望したら場合、「治療の際に提出いただいた資料から、卵子提供者(ドナー)の氏名、生年月日、当時の住所等の個人を特定できる内容を開示させていただきます。」とされています。

そして最後に「その子がドナーに会いたいということもあることを知っておいてください。」と書かれています。

精子提供による人工授精(AID)は1948年から行われ、卵子提供もここ近年、関心が高まっているにも関わらず、法整備は進んでいません。

日本産科婦人科学会は、2013年1月18日に発表した「「卵子の提供による生殖医療」に関する報道についてのコメント」の中で、『「精子・卵子提供による生殖医療」において遵守されるべき基本的考え方は、「生まれてくる子の福祉を優先する」「人を専ら生殖の手段として扱ってはならない」「安全性に十分配慮する」「優生思想を排除する」「商業主義を排除する」「人間の尊厳を守る」であります。』と言っていますが、その中で一番大切なのは「生まれてくる子の福祉」、つまり子供の幸せではないでしょうか。

一方、やむをえない理由で卵巣機能が低下している女性にとっては、福音です。

乗り越えなければいけない問題がたくさんありますが、子供を欲しいと願うカップルが願いを叶え、そしてその子供がどんな形であれ、生まれてきて良かった、と思えるよう、当事者だけでなく社会全体で考え作っていく必要があるのではないかと思います。

参照: 
日本生殖補助医療標準化機関JISART
 
日本産科婦人科学会

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