ドクターインタビュー

明生鍼灸院 鈴木院長、木津副院長インタビュー vol.4

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院長:今お話した特殊な治療を行う手前の段階で妊娠できる場合ももちろんあります。この方法を併用した結果を学会発表しているのですが、不妊歴5年以上、ART5回以上の経験があって、1年以上通常の鍼灸治療をしても結果が出ない不妊の人を対象にしたところ、18名中7名(38.9%)が妊娠に至りました。さらに今まで鍼灸治療を2年以上行っても結果が出ていなかった人の半数が妊娠したのです。

ながいきや本舗:すごい結果ですね。

院長:それで私たちもちょっと衝撃を受けたぐらいです。それからは治療の1つの選択肢としました。この治療法の適応かどうかをみるために初診時の問診票で膀胱症状について問診しています。IPSSといってこれは排尿症状については国際的な評価法ですが、そのときに排尿症状があるか、腹圧性の尿漏れがあるかなどいろいろなことが分かります。そこで骨盤腔内の環境が悪い人はこの治療方法を第一選択としてやってくことになります。子宮、卵巣などの生殖器系は、直腸や膀胱などの骨盤内臓器と同じような血管、神経の支配を受けています。そういう意味で言うと骨盤周囲に何らかの疾患がある場合、それらを治療することが同時に妊娠への近道にもなります。

ながいきや本舗:不妊で訪れる方の何割ぐらいにその方法を適用されるのですか。

院長:全てという訳ではありません。その治療方法以外にも症状に応じて結果を出せる治療法があります。それらの治療法を組み合わせることで今まで難しかった人たちの妊娠が近くなったというとらえ方をしてもらった方がいいですね。すなわちいろいろな治療法の組み合わせが重要だということですね。

ながいきや本舗:なるほど。そうなんですね。

院長:初診の問診でイボ痔(内痔核)があるかどうかの確認もします。内痔核というのは静脈鬱滞ですから直腸に静脈鬱滞があれば同じ骨盤内の子宮、卵巣の血流が悪いだろうということで、先程の中髎穴の治療を先に行うかどうかを決定する判断材料になります。

ながいきや本舗:排尿からのアプローチっていうのは初めてお伺いしました。確かに骨盤の中にある臓器ですけど関連するとは考えませんでした。

院長:あと出産経験がある方などで尿失禁が有るような方は骨盤底筋体操で骨盤底筋を鍛えてもらいますね。

ながいきや本舗:骨盤が緩んじゃうということなんでしょうか。

院長:それも理由の1つです。子宮などの骨盤内臓器が下垂することで機能が低下すると考えます。こういう方々は鍼では治らないので骨盤底筋を鍛えていただくことも重要です。

ながいきや本舗:ああ、やっぱりからだの器官や組織はすごくつながっていますね。これは確かに聞かれるとああそうかなってありますね。別の目安になって患者さんにもすごく参考になるかなと思います。

自律神経と不妊の関係

院長:身体の状態について問診票にてアンケートを行いますと、その人がどういうタイプで妊娠を妨げている要因があるかという事が分かってきます。初診の時点であなたはこういうタイプです、ですからここを治しましょうといいます。自律神経系がホルモンをコントロールしている部分もありますので、妊娠と深く関わっていますから、そこから来ているものなのかを健康チェック表という指標を用いて判断しています。健康チェック表は全日本鍼灸学会不定愁訴班がCMI(コーネル大学健 康調査表)、関西労災式うつ状態調査表、SRQ-D(抑うつ尺度)、SDS (自己評価式抑うつ尺度)等を総合的に検討して作成したもので私たちは30年ぐらい前から使ってチェックしていく中で特に妊娠に関係するものが何なのかを導き出しています。

副院長:ただし、妊娠しやすい人も、妊娠しにくかった人も全体的に不定愁訴は改善します。ですので、このチェックだけで妊娠しやすいのか、しにくいかを判断することはなかなか難しいのが現状です。ただし自律神経の症状が強く出ているのかなどは容易に診ることはできます。

院長:もうひとつの精神的な指標として、エジンバラ産後うつ病自己調査票を用いています。これを診ることで抑うつ症状が強い人との関連も当院では研究しています。今度の2014年12月の日本生殖医学会で発表する予定ですが、うつ症状も鍼で良くなっていくということも実証しています。そのことが妊娠への近道の一つだと考えています。治療を繰り返すことでどんどん妊娠しづらくなっている状態を「不妊治療性不妊」と表現することがあります。何度も「がんばろう、がんばろう」と治療するのですが、そのたびに失敗の連続で、失敗しながらもまた治療、ということになるとひたすら緊張してリラックスできない状態の連続ですね。それが不妊症の悪循環を起こしてしまうことになります。逆に1回諦めて、その後鍼治療していたらぼっと妊娠したという例があるのはこういった悪循環を止めたことと関係していると考えています。

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