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受精卵(胚)への悪影響と良い影響

受精卵(胚)に対する悪影響と良い影響を及ぼすファクターをまとめてみました。

x受精卵(胚)に悪い影響を及ぼすファクター(男女共通)

加齢、酸化ストレス、肥満、やせ、喫煙、過度な飲酒、精神的ストレス

◎受精卵(胚)に良い影響を及ぼすファクター(男女共通)

バランスのよい適量の食事、適度な運度、適正な体重維持、オメガ3・コエンザイムQ10の摂取、ストレスを悪いことだと決め付けない

これらは男女共通です。

カップルが一緒になって気をつけ合い、労わり合い、支え合って、「良い影響」を及ぼすファクターを続けていってほしいと思います。

▼参照:
日本生殖医療研究協会 ART関連最新情報2017

正倍数性の胚が生児出産に結びつく割合を増加させるための介入法について検討した。

男性パートナーに対しては、omega-3脂肪酸や抗酸化物質の摂取が最も有用であると思われる。

女性パートナーにはストレスに対する身体の反応を抑制し、運動を促し、肥満女性には体重減少を勧め、非肥満の女性においては激しい運動を回避させ、IVFの前3~6か月は禁煙させ、アルコールを回避させるなどの対応が最も有用であると思われる。

いずれのパートナーにも中等度のレベルの運動や適切な食事などにも配慮する必要がある。

酸化ストレスは加齢や肥満、精液の質の低下、卵子や胚の質の低下などに関わることから、これに対応するためには抗酸化剤の摂取が男性と女性のいずれにも勧められる。特に40歳に近づいた女性あるいは40歳超の女性においてはそのような配慮が重要である。

このような対応法のすべてが血管系によい影響を与え、男性においては勃起などの性機能の改善をもたらし、長期的な健康状態にも好ましい影響をもたらすものと思われる。

CoQ10のような新しい介入法は最近始まったばかりであるが、ヒト以外の研究や限られたヒトの研究によれば、期待できる方法と思われる。

ストレスに被ばくした胚においてはミトコンドリアの過剰産生などのバイオマーカーを指標に積極的に調査してみる必要がある。

それによってどのような正倍数性の胚が良い結果をもたらすものであるかを特定することができるのではないかと思われる。

上記の介入法の大部分は、限られた研究によって支持されてはいるが、さらに無作為対照試験で確認する必要がある。

Aging and the environment affect gamete and embryo potential: can we intervene?
David R. Meldrum, Robert F. Casper, Antonio Diez-Juan, Carlos Simon, Alice D. Domar, Rene Frydman
Fertil Steril. 2016 Mar;105(3):548-559

胚のゲノムは分割期胚になるまで活性化されず、新しいミトコンドリアは胞胚腔が形成されるまで生み出されることはないことから、卵子の至適成熟が胚の発育能力を決定することになる。

有害な環境因子は加齢、アンドロポーズ、酸化ストレス、肥満、喫煙、飲酒、精神的ストレスなどが含まれる。

一方、アンドロゲンの補充、思慮に富んだ食事、運動、栄養素の摂取、心理的介入などは有益な影響をもたらす。

ミトコンドリアの機能が関わるエネルギーの産生は加齢とともに悪化し、卵巣予備能にもネガティブな影響を与え、染色体の分離や胚の発育能などにもネガティブな影響を与えることになる。

加齢のマウスを用いた実験においてミトコンドリアがかかわるコファクターであるコエンザイムQ10はこのような変化に拮抗する作用を有していることが確認されている。

早期のヒトを対象とした実験では齧歯類のモデルを用いたものと比較し、小規模でその介入の期間も短いが期待できる結果が得られている。

ストレスはミトコンドリアにおけるDNAに異常な代償性の増加をもたらすことになる。

そのような結果が着床障害の予測因子としてのバイオマーカーとして、栄養外胚葉の生検で得られた割球において測定することができる。

心理的なストレスは卵巣から血液の流れの変更をもたらし、卵の発育能を低下させるのではないかと考えられている。

このような血液の変化を引き起こす古典的なメカニズムとして、闘争 – 逃走反応(fight or flight ※)と呼ばれる現象がかかわっている。

このような反応によってストレスを減少させ、またストレスに対する身体の反応を抑制し、妊娠を促すことにもなるのではないかと考えられている。

卵子の対応能力を促進することが正倍数性の胚であっても、継続妊娠に至らないような例を減少させる上で、重要な介入法となるのではないかと思われる。


※闘争 – 逃走反応(fight or flight)

1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された動物の恐怖への反応。

闘争か逃走か反応、戦うか逃げるか反応ともいい、戦うか逃げるかすくむか反応(fight-or-flight-or-freeze response)、過剰反応(hyperarousal)、急性ストレス反応(acute stress response)とされることもある。

『火事場の馬鹿力』と訳されることもある。恐怖などのストレッサーの刺激が視床下部、下垂体に伝達し副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)が分泌され、アドレナリンとコルチゾールが放出される。その結果以下の変化が起きる。

・ 心臓・肺機能強化(心拍数上昇、血圧上昇、呼吸数上昇、気管拡張など)
・ 体の多くの部分の血管収縮、 筋肉向けの血管拡張  等

Wikipediaより)

監修:日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 松村恭子


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